Wilton's Music Hall
一見それとは分からない質素な通りの中腹に
見落としそうな寂れた赤いドアがあり、
それをくぐった先にその劇場はあります。
1690年に建造されたWilton's Music Hall。
中には廃墟マニアを唸らせる、建造当時の面影をそのまま残した
シャビーと豪華絢爛の名残が織り交ざった舞台。(残念ながら写真撮影は不可)
もちろん廃墟ではなくて現役バリバリの劇場なのですけれど!
音楽コンサートやお芝居、キャバレーにジャズにパントマイムと色々なイベントが上演されていますが
初めての演目にはLes Enfants Terriblesの少し怖い大人の童話集をセレクト。
以前私が行った、駅の地下室のアリスを上演したのと同じ劇団です。
白塗りの演者たちが様々な人形を駆使して、どことなく気味の悪い童話を語って聞かせます。
私と友人は10年ほど前に、このジャンルの公演に於いては間違いなく最高峰であろう
Tiger LilliesのShock-headed Peterという作品の初演を見てしまっているので
その評価が覆ることはなかったですが、それにしても凝ったビジュアルとレトロホラーな雰囲気が劇場の廃退的な内装とぴったりマッチして画集にしたいような出来でした。
周りに遠慮して声を発さずに居たら、そのうち自分で自分の存在を忘れてしまって消えてしまう少年の話とか、魚好きが高じて半魚人になり、海の生き物になった子の話とか。
人の話を聞かず、いつも自分の話ばかりをしているせいで
ボンネットの中にミツバチが巣を作っていることにも気づかない少女の話の部分は、
なんとジュディ・デンチの朗読でした。
劇場の雰囲気を楽しむために今度はシャンソンとか聞きに行ってみようと思います。
ちなみに会場内のマホガニーバーはピザが美味しくて有名らしいですよ。
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