S&A: BA未来便

今年100周年を迎えるBritish Airways主催のVR体験をしました。

人類の飛行の歴史と未来のフライトの形を問いかける内容の新感覚映像コンテンツ。

Saatchi GalleryのFlight of the future展の一部で(別料金)、

中心にあるこの近未来的装置の中でVRゴーグルをつけ、両手にコントローラーを持って一人ずつ映像に没入します。

私は乗り物系の映像アトラクションは一応色々経験済みなので(▶ソユーズ試運転)、

スタッフさんに「手を伸ばした先の物は触ったり引っ張ったりできます」「後ろも見放題なのでお見逃しなく!」などと説明を受けているときも割とハーイと流していたのですが、結果から言うと私、VRというものの完成度を完全になめていました…。


■ イタリアの田舎の草原で、幼いガリレオ・ガリレイ少年が紙飛行機片手に人類を風に乗せる夢を初めて見出す冒頭。ジブリ映画が始まったかと思うほどのノスタルジーで開始数十秒でいきなり泣きそうになった。前髪を割るそよ風…木漏れ日…お日様の匂い!ものすごい四次元…!


■ 鍛冶場の熱を受ける頬、両腕の上下でふわりと浮き上がる機体、レバーを引いたときの重い衝撃、一瞬の無重力!


■ 砂漠での試験飛行は自分のタイミングでしばらく自由に飛べたのですが、方向を変える度に風の向きも地上で見守る人たちの声の距離感もちゃんと変わって、後ろを向けば尾翼越しの空があって、その絶妙さが完全に夢の中の物理感だった。五感は全て現実に準じているけど死ぬリアリティだけがない感じ。


■ BAなのでコンコルドのコックピットにも座れて感動でした。後で友人の様子を見守っていたらおそらくその場面で「ウワァ!」って声出ちゃってて可愛かった。音速超える瞬間ってあんな感じなんですね。隣を見るとちゃんと副操縦士が座っていました。女性だった。


■ 最後の機体、サンダーバードやスターウォーズに出てきそうなまだ発明されていない未来のその飛行機を、母船に着陸させるときの操作が繊細で難しかったです。後ろを見ると広々としたデッキでラウンジ客がシャンパンを飲んでいてボンド映画の中みたいでした。2119年にはワープ機能が追加されてるっぽかった。


後半は管制官の声が聞こえる場面が多く、Speedbird(BAのコールサイン)を連呼されてニマニマしました。20分ほどのフライトですが、映像以外にも熱や風など感覚的な情報量がすごくてVRのあまりのポテンシャルにしばらく茫然とした。


そういえば私、以前お仕事でVRのナレーションをしたことがあるのですが収録の時点ではまだ映像はできあがっておらず…こんなにすごいものだったのか…言ってよ…!


終了後に「いかがでしたか?」と聞かれた人がもれなく「すごかったですー!」と言っていたのがよかったです。



こちらは未来の機内食。

乗客の好みやアレルギーの有無、人種、フライト時間、航路、出発地と目的地、様々なデータを分析して一人一人にカスタムされたゼリー状のお食事。


一枚目の北京→ロンドンルートの中国人乗客のゼリーにはバター、クリーム、ミントやパセリリキュール、二枚目の東京→ロンドンルートの出雲清さん(仮)のゼリーにはなぜか苺とシャンパンが入っているようです。


ゼリーはきらきらして綺麗だけど、これを見た人がみんな一様に「えっ…食事の楽しみ…」って呟いていて正直私もそう思う。

Mayumi's Soliloquy

まゆみのソリロクィ

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